どうせ私のめまいは治らないと、諦めないでください
こんにちは。はりの響き 渡辺です。
今日はめまいについて語らせていただきます。実は、当院を来院される方でめまいの症状を訴える方は少なくありません。
そして、めまいを訴える方の中でもかなりの割合で「病院の薬を飲んでいるのに、なかなか治らなくて・・・」とおっしゃる方がいらっしゃいます。
ではなぜ、「めまい」という症状が起こってしまうのでしょうか?
めまいの原因は、平衡感覚障害
めまいは平衡感覚に異常が生じた場合に起こると言われています。
平衡感覚とは、
① 目からの情報
② 耳(三半規管等)からの情報
③ 身体の各関節からの情報
上記の3つの情報を脳が適切に統合する事で成り立っています。
これらの何処が障害されても、めまいが起こります。
めまいの多くは内耳が原因
耳からの誤った情報が脳に伝えられると、身体の平衡を保つシステムが異常を起こし、めまい・ふらつき等の症状が現れます。
内耳の異常として、メニエール病は、内リンパ管水腫、内耳内の炎症、良性頭位性めまいでは「耳石の影響」が考えられています。
発性原因は不明で、構造的な異常やアレルギーの関与、自己免疫、ヘルペスなどのウイルス感染、内耳の血流不全など様々な可能性が挙げられます。
つまり、原因を突き止めてピンポイントでそれを改善する薬に出会わないと、なかなか改善が見込めないということになります。
なぜ慢性化しやすく、治りづらいか?
内耳のリンパ液は外部との入れ替わりが少なく、入れ変わりの期間は数ヶ月と言われていますので、内耳内の炎症や循環不良のトラブルは、一度と不具合が起きると、治るまでに時間がかかると考えられます。
鍼灸・漢方薬ができるアプローチ
鍼灸と漢方薬は、
・内耳の環境改善
・循環障害等の要因となる頭頸部筋群の緩和
・全身の疲労、ストレス状態を緩和
などを東洋医学的視点を踏まえ、働きかけます。鍼灸は、耳周囲や首の反応点を刺激することにより、神経を通じて間接的に内耳に働きかけていきます。
鍼灸の効果に、血管やリンパ管の拡張作用、循環の悪い部分に直接作用し、炎症物質・老廃物の除去、酸素と栄養分の補給を行ない、より良い環境を作ります。
薬と異なり、局所的に働きかけることができ、副作用の心配も少ないです。
また、漢方処方は「気、血、水」のバランスを整える事で症状を緩和していきます。
めまいは「水」が原因で起こるケースが多く、身体の余分な水分が、耳の内リンパ液の循環に影響し、めまいや耳鳴りを引き起こすという考えかたです。
「水」が原因のめまいでは、身体の余分な水を汗や尿として体外に排出する漢方薬(利水剤)を使用します。
【めまいによく使われる漢方薬】
[五苓散]
利水剤の代表的漢方薬です。水分代謝障害による症状に幅広く使えます。
[沢瀉湯]
メニエール病などの急性、回転性のめまいに取り入れます。含まれている生薬の種類が少ない分、効き目がはっきりしています。
[苓桂朮甘湯]
腹部の動悸、神経症タイプのめまい症状に使います。
[半夏白朮天麻湯]
胃腸がよわく、胃に水がたまりやすいタイプのめまい症状に使います。
めまいの症状別アプローチ
[メニエール病]
メニエール病の原因と考えられる、内耳リンパ水腫は、抗利尿ホルモン(腎臓での尿量の調整を行う)の影響が注目されています。
抗利尿ホルモンは精神的負荷 肉体的負荷で分泌が変動し、メニエール病の方は、ホルモンに対しての感受性も高まっているとの報告があります。
発作要因の一つに、感受性の高いところに、ストレスや疲労でホルモンが増えることで、内耳リンパのバランスが崩れる病態と考えることができます。
当院では鍼灸 漢方薬でストレスを緩和し、内耳周辺の循環改善に働きかけることで、発作や聴力低下の予防をサポートします。
[良性頭位性めまい]
良性頭位性めまいは、内耳の耳石が三半規管に入り込み、めまい症状が起こる病態と考えられています。短期的な症状よりも、再発を繰り返すこと自体が大変なストレスになります。
そこで、なぜ耳石がはがれやすくなるのかを考え、再発予防の為の体質改善を行います。
当院では更年期の女性に多いことや、骨粗しょう症の方の再発率が高いことから、ホルモンバランスや、カルシウム代謝改善もふまえ、鍼灸 漢方薬を取り入れていきます。
[頚性めまい]
頸部の筋緊張が原因で、椎骨動脈の循環不全、交感神経の刺激により、誘発されると考えられています。鍼灸・漢方薬で首肩こりや、循環不良を改善し、姿勢などの生活スタイルも気を付けることが大切です。
めまいの治療は確かに時間がかかることがありますが、決して諦めないでください。まずは当院にご相談ください!