頭痛改善に向けた鍼灸【ツボ】と漢方薬の相乗効果:4つのタイプ別アプローチ
頭痛に悩む方にとって、根本的な体質改善は快適な生活の鍵です。特に鍼灸と漢方薬の併用により、症状や体質に合わせた効果的な治療が可能です。ここでは、主な4つの頭痛タイプ別に、鍼灸の配穴と漢方薬の組み合わせを紹介します。
タイプ1 緊張性頭痛
主な症状:首肩のこり、眼精疲労、ストレス、疲労感
鍼灸配穴:風池、肩井、合谷
漢方薬:「葛根湯」「疎経活血湯」
緊張性頭痛は、肩や首の筋緊張が原因のことが多いです。風池や肩井の鍼灸で筋肉を緩め、血行を改善します。また、「葛根湯」による血流促進が頭痛を和らげるとされています(Li et al., 2019)。
タイプ2 片頭痛
主な症状:ズキズキとした痛み、悪心、光や音に敏感、発作的な痛み
鍼灸配穴:太陽、内関、足三里
漢方薬:「呉茱萸湯」「川芎茶調散」
片頭痛は血管の拡張や神経の過敏化が関係しています。太陽や内関への鍼で緊張を緩め、片頭痛を和らげます。「呉茱萸湯」には片頭痛を抑える効果があることが報告されています(Sun et al., 2017)。
タイプ3 ストレス性頭痛
主な症状:イライラ、緊張、睡眠不足、食欲不振
鍼灸配穴:百会、神門、内関
漢方薬:「加味逍遙散」「抑肝散」
ストレスが原因の頭痛は自律神経の乱れが関係しており、百会や内関への鍼灸で神経を整えリラックス効果が期待できます。「加味逍遙散」はストレス緩和と頭痛の軽減に効果があるとされています(Liu et al., 2018)。
タイプ4 気候の影響による頭痛
主な症状:重だるい頭痛、めまい、むくみ、胃の不快感
鍼灸配穴:陰陵泉、足三里、三陰交
漢方薬:「五苓散」「防己黄耆湯」
湿気が体にこもることで頭痛が引き起こされる場合、陰陵泉や足三里の鍼灸で水分代謝を促し、「五苓散」で余分な水分を排出することで症状の軽減が期待できます(Watanabe et al., 2016)。
鍼灸と漢方薬を併用することで、頭痛の原因にアプローチしつつ体質を改善し、根本からの症状緩和が期待できます。